
会社名
大木ヘルスケアホールディングス株式会社
受講者・チーム
松井 秀正 / 山岡 研一
会社規模
300-1000名
利用サービス
チームコーチング、チームトレーニング、パーソナルコーチング、パーソナルトレーニング、社内浸透施策、全社ワークショップ
受講生インタビュー
創業360年余の歴史をもち、OTC医薬品を始めとするヘルスケア商品の流通を担う大木ヘルスケアホールディングス株式会社は、長くトップダウンで組織を率いてきました。トップダウンだからこそのメリットを理解しながらも、時代の変化をふまえ、現場が自ら考え行動する組織へ変わらなければ会社の未来はないと強く感じ、ボトムアップ型組織に変わる道を選んだ同社。長い歴史をもつ企業が組織文化を大きく変えていく場面で、なぜ全社をあげてコーチングを学び、組織に取り入れていくことにしたのかお話を伺いました。
期待
・従来のトップダウン型組織から、現場が自ら考え行動するボトムアップ型組織への変革
・組織を変えるために、コーチングの考え方を取り入れたいが、自社に適した導入のあり方を探したい
効果
・会社が本気でボトムアップ型組織に変わるという認識を共有できた
・リーダーの関わり方が変わり、組織変革が始まる実感を現場にもたらした
・ボトムアップによる提案が増え、不満を言うだけの人は減り、「自分たちが会社を変えていくにはどうすればよいか」と考える人が増えた
ートップダウン型からボトムアップ型の組織への改革は、御社にとって大きな決断だったと思います。どういった流れで決断に至ったのでしょうか。

ビジネスモデルの変革に着手する前は、これまで正解とされていた卸売業のあり方から脱却し、新しい正解を見出していかなければならない時代になったことを頭では理解しつつも、なかなか行動が伴わない状況が続いていました。
社会の様々な変化を肌で感じながら、5年後、10年後に会社は存続しているのか?と日増しに危機感を募らせていましたが、私が抱く危機感を全社で共有することはとても難しく、経営層でさえ温度差がある状況でした。同じ事業をそのまま継続していた企業が淘汰されていく状況を横目に、組織変革の決断は、「今のままでは、生き残れない」という私の危機感の現れとも言えるかもしれません。
そのなかで必要となるリソースは、思い切って外部の力を借りることも決めました。
ー経営層の足並みを揃えることに苦労されるという声はよく耳にします。反対意見などはなかったのですか?

反対意見はありましたし、それは今でもあります。反対の理由は様々ですが、私が「自分たちで考えて」と言いながらも、具体的に指示も出すという矛盾した行動をとっていたことも影響していたと思います。
長年の習慣を変えることは簡単でないことを、私も身をもって痛感しています。頭ではわかっているのに行動に移すのが難しいことを、コーチングを体験し、実践して変えていく。私を含めた上司はまず、「現場で考えよう」と言う一方で、「あれこれ考えずに、まず動け」と矛盾したことを言っていることを自覚しなければいけません。
また、トップダウン型組織がボトムアップ型組織に変わっていくとしても、現場にスピード感を求めるうえでは、トップダウンで組織を引っ張ることも時には必要です。ボトムアップとトップダウンのバランスが取れるようになるには時間はかかると思いますが、工夫していきたいです。

ートップダウンとボトムアップのバランスもリーダーが悩まれることですよね。松井さんはどのようにバランスをとっていらっしゃいますか?

難しいです。「考えて行動しよう」と言う以上は、考える時間も与えないといけないのに、早く行動するために、具体的な指示を出さざるを得ないことがまだまだあります。それを仕方がないと済まさず、「部下に任せられなかったのは、私が上司として足りない部分があったからだ」と省みるようになりましたので、私自身も少しずつ変化してきているかなと感じています。

ーなるほど。そうした組織の状況の中、CoachEdの全社導入と、コーチングの考え方を組織に浸透させる「全社浸透施策チーム」の組成が決定されました。まずCoachEdを受講するメンバー決めはどのように行なったのでしょうか?

前提として、経営陣も現場のメンバーも同じ方向を向かなければならない。経営と現場の双方が並行して導入・実施していかなければカルチャーとして定着しないと考えています。
ー浸透施策チームはどういった意図を持って編成されたのでしょうか?

指名と立候補を半数ずつ組成しました。浸透施策チームに加えて、トップダウン型組織で大きな成果を上げ、社内でも最大のチームを率いるキーパーソンを、コーチング導入プロジェクト全体を牽引するリーダーに社長が指名しました。キーパーソンの一挙手一投足の影響力は大きいですから、当社の要の組織の長であり、数多くのメンバーを抱えるリーダーたちにコーチングを理解し、実践してもらうことが大変重要だと考えています。
会議においても、例えば、「現場に対する指示管理を徹底する」という内容は、「現場自らが施策を考えることができるように、責任者は現場に方針や目標をしっかりと説明する」に変わりました。リーダーの話し方、会議の進め方が変わると、コーチングを受けていないメンバーにも影響を与えます。リーダーの変化は、想像以上に組織にインパクトを与えていると感じています。

トップダウン型組織で育ってきた人へのアプローチは、特に配慮しました。トップダウン型組織で成長してきたわけですから、もちろん良い面はたくさんあります。「時代に合わせて変わろう」ではなく、「部下との関係構築や、組織運営のための新しい知見・手法を学ぶ機会にしてほしい」と伝えました。


大事なことは、過去のやり方を否定するものではないことです。決して否定をしないことが、コーチングの良いところでもあります。
経営層であっても、多様な意見があることは当たり前ですから、意見が異なっても構わないという前提で話をする。過去を尊重しつつ、新しい考え方・新しいやり方を自分の武器に加えていく機会と理解してもらえれば、変化に抵抗がある人も「ちょっと聞いてみようか」という姿勢になると思います。
ー変化に抵抗がある人にコーチングを受けるように伝えるときは、どのような伝え方をされたのですか?

場合によっては、トップダウンで指示をすることもあります。トップダウンでボトムアップの取り組みを進めるという、矛盾したアプローチです(笑)。
現場に影響力をもつリーダーたちの意識が変わらないことには、組織改革は進みません。リーダーたちを巻き込んでいくためのトップダウンの指示は、私の役割だと考えています。

弊社の社員は、新しいことに抵抗があるわけではありません。むしろ、環境の変化にあわせて、新しいことに挑戦する力があったから、360年余生き残ってきたのです。ここ数十年をみても、企業としての行動は迅速で柔軟性がありました。
伝統的な歴史のある会社で、トップダウン型であっても、環境にあわせて変化していく柔軟性と行動力がある組織です。そうした素地があったからこそ、今回のような新しい取り組みを受け止め、推進できていると考えています。

ー行動力が強みの御社と、企業の状況に柔軟に合わせてプログラムを提供するコーチェットのやり方はマッチしたと思います。これだけ大きなプロジェクトに取り組むにあたって、費用対効果についてはどのように考えていらっしゃいましたか?

短期的な費用対効果よりも、コーチングを導入することで、5年後も10年後も会社が成長していることを想定した投資として考えています。短期間で見ると、かなり思い切った投資ですが、会社の成長を考えると、それほど高いものではないと思っています。

財務の観点では、卸売企業の資産は「人材とシステムと物流」ですので、この3つに投資することが何より重要です。
人材にお金を使うことは費用ではなく投資です。社長は社員に対し、「みなさんに投資する」という言い方をします。賃上げも「先行投資」と伝えています。研修も「投資」として進めているプロジェクトなので、短期的な費用対効果は重視していません。

弊社は、社会貢献を使命としていますが、ボランティアでは事業は継続できませんので、いかにマネタイズしながら社会貢献するか、を考えています。したがって、優秀な人材の採用ではなく、志のある人が集って働き、人と会社が一緒に成長していくことが基本姿勢になります。昨今の人的資本経営ではないですが、弊社は、社員に会社を通して社会貢献することを目指し、そのために自ら考え成長し続けて欲しいと思います。そのための投資です。
ープロジェクトはまだ進行中ですが、現時点で感じられる変化や手応えなどがあればお聞きしたいです。

トップダウン型組織でしたが、今までも現場に権限を渡していました。コーチングを導入したことによって、「なぜ経営層はそれをするのか」から考える人が増えていると感じます。
今までは「ここが駄目だからここを直せ」という経営層からの指示に対して現場が対応していましたが、今は、指示していない部分まで現場の各支社で考え始めているのがわかります。やはり、現場自らが考えてマネジメントしたり行動したりする方が実績は良くなります。支社・支店の経営数字にも、成果が現れてきています。今回のプロジェクトは、現場自らが考えて行動するきっかけになったのかなと、手応えを感じています。


意見がよく出てくるようになったことと、不満を言うだけの人が減りました。「会社は自分に何をしてくれるのか」という視点で考える人が多かったのですが、「自分が会社に何ができるか」を考え始める人が少しずつ増えているように思います。
ー支社・支店に対して、具体的な指示を出す機会は減りましたか?

指示は減らないです(笑)。
でも、「他の支社でこういう指示が出ているから、自拠点もチェックしてみよう」と自発的に考える人は増えたと思います。弊社は、支社、支店、物流センターが多いので、ある拠点に出した指示を「自拠点に必要か否か」と誰もが考えるようになれば、指示も減っていくと思います。
ー明るい兆しが見えてきたタイミングですね。そうした兆しを作れた背景には、どういった強みがあったからなのでしょうか。

一つは、トップダウンの良さである変化に対応するスピードです。トップダウンで行動力はありますので、スピードは速いです。
ただ、変化に対応する力はあるものの、需要創造型中間流通ビジネスモデルの正解を共有できていなかった。コーチングを取り入れたことにより、スピードを維持したまま、複数の正解を共有できるようになってきたと思います。

弊社の社員は、素直で真面目な人が多いことも強みでした。コーチェットさんの強みであるコーチ・トレーナーの方々を、弊社の社員がリスペクトして素直に受け入れ、真面目に取り組んだことで、とてもうまくマッチして機能したからこその成果だと思います。

ー私たちもみなさんのことが大好きで、お互いにリスペクトし合いながらプロジェクトに取り組めていることをとても嬉しく思います。コーチェットのサービスはどのような方に勧めたいと思われますか?

今まで一人でやっていたことが、一人では難しくなってきたタイミングにいる経営者、リーダーでしょうか。組織の大小や役職に限らず、自分で全てやることができなくなるタイミングは必ずあります。
その時に、現場で考えるチーム・組織を作ろうとするのですが、「現場で考えろ」と言っているだけでは機能しません。サポートしてくれる人の必要性を感じた時に、コーチェットさんが隣にいてくれたらとても心強いと思います。

JTC(ジャパントラディショナルカンパニー)と揶揄されるような中堅中小企業が対象になると思います。会社の未来を社員と一緒になって真剣に議論し考えることができる従業員1000人程度までぐらいの規模の企業に効果があるのではないでしょうか。
弊社も、社員ひとり一人が健全な危機意識をもって戦力になってもらわないと困るような小さい組織です。今回のプロジェクトを通して、社員が我がごととして会社の将来を考えてくれる機会となれば、とても嬉しく頼もしく思います。

私自身もそうでしたが、「現場が考える組織にしようと号令をかけても、なかなか進まない」とぼやいている社長や企業にぴったりです。
「現場で考えろ」と言いながら、急ぐからと会議で具体的な指示を出してしまっていることに気づけていないリーダーも多いのではないでしょうか。
私が、これまで現場で考える組織に属していなかったこともあり、行動と指示にギャップが出ていることに気づいていませんでした。知らず知らずのうちに、指示してしまっていることに、コーチングを通して初めて気づかされました。
こうしたあるあるを抱えながら、「現場が考えてくれない」とぼやいてしまっていたら、コーチングはお勧めです。

ー御社と同じような課題感を持った企業が組織を変えていきたいと考えた時、パートナーの選びや進め方、決断に悩むこともあるかと思います。すでに決断・実行している御社なら、どのようなアドバイスをされますか?

危機感の度合いにもよりますが、まだ余裕があるのなら、1からコーチングを勉強する人が増えるようなプロジェクトを考えてもいいと思います。
ですが、すでに危機に直面し、今すぐ変えないと大変な結果になるという認識であれば、コーチェットさんのようなプロフェッショナルのお力を借りて、自社にマッチしたサービスにカスタマイズしてもらいながら、できるだけ早く取り組むという選択になるのではないでしょうか。一番危機感を持っている人が、決断をする。決断をしたなら、すぐに進める。それしかないです。

私も同意見で、まず、始めた方がいい。
弊社はトップダウン型組織でトップに強い危機感があったからこそ、決定からスタートまでとても早かったです。「誰にやってもらおう」「どこから始めよう」と、いろいろ考えるぐらいだったら、まず体験してみる。体験して、「よしこれでいこう」と決めたら、翌月から始めるくらいのスピード感で進めることが良いと思います。
多くの組織が、新しいものに飛びつく2割、大勢を見て決める6割、絶対動かない2割の2:6:2で構成されている以上、満場一致で「やろう」とは絶対ならないので、それぞれから人選すれば良いと思います。
危機感を自覚しているなら尚更、プロセスで悩む時間さえもったいないです。
ー決断、実行をされた御社からの「やるしかない」というメッセージは、背中を押してくれます。ありがとうございます。最後に、CoachEdはどんなサービスだと言えるでしょうか。

経営者が、会社、組織、ビジネスを回していくためにとても頼りになるサポーターです。
私がやりたいこと、体現したいことを引き出してくれたうえで、具体化していくまでサポートしていただいて、とても感謝しています。

組織の心理的安全性をもたらしてくれるサービスだと思います。
ボトムアップ型組織への変革において、心理的安全性が大事だとわかっていても、どのように醸成すればいいのか、組織で心理的安全性の担保に何が必要なのか、悩むのですが、コーチングを使う方法もあるのだとコーチェットさんから教えていただきました。
弊社の社員がコーチェットさんからレクチャーを受けているのを見ていて、これが一番我々に合っている心理的安全性の作り方だと感じましたし、会議で発言が増えたのも、心理的安全性が醸成されつつある過程だと思っています。

力強いお話をありがとうございました。今後もこの大きなチャレンジの前進に向けて頑張っていきましょう!
導入背景・実施内容・効果に関する記事はこちら
会社が成長し続けるためにボトムアップ型組織へ舵切り。江戸時代から続く会社の改革に向けた覚悟


松井 秀正
大木ヘルスケアホールディングス株式会社代表取締役社長
株式会社大木代表取締役社長
大木製薬株式会社代表取締役社長
1999年株式会社大木入社。2006年同社取締役、2010年同社代表取締役副社長、2015年大木ヘルスケアホールディングス代表取締役副社長兼統括管理本部長、2018年代表取締役社長就任。
山岡 研一
大木ヘルスケアホールディングス株式会社取締役執行役員
株式会社大木取締役執行役員業務本部長兼経営企画室長
金融機関等を経て、2020年株式会社大木経営企画室長、2023年取締役執行役員業務本部長、2024年大木ヘルスケアホールディングス株式会社取締役執行役員。
[文]栗原京子
[撮影] 大倉英揮
STEP
01.
現状や課題感を伝える

現状や感じていらっしゃる課題感をお話しいただき、状況と根本要因を整理します。
STEP
02.
要因の見立てと解決策を聞く

現状・課題・ご希望に応じて、解決策をご提案します。
STEP
03.
理想に向けたアプローチを決める

実現に向けてのロードマップや最初の一歩をご提案します。
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理想に向けたアプローチを決める
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