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orosy株式会社

「効率至上主義」から固定概念を超えた「多様な価値を統合するあり方」への変容 

会社名

orosy株式会社

受講者・チーム

野口 寛士

会社規模

  • 11-30名

利用サービス

CoachEdマンツーマン研修

受講生インタビュー

「効率至上主義」から固定概念を超えた「多様な価値を統合するあり方」への変容 

マーケットプレイス運営企業CEOが経験した組織の進化と価値観の転換

2025/1/21

今回は、マンツーマン研修を受講されたorosy株式会社代表取締役社長の野口寛士さんにお話をお伺いしました。クラフト品に特化したマーケットプレイスを運営する同社は、2018年に設立。約7,000社の取引先を抱えるまでに成長しました。そのなかで、代表が自身の効率至上主義的な経営スタイルに限界を感じ、次のステージへの変革の必要性を意識するように。そのタイミングでコーチェットのプログラム受講を決断されました。多様な価値観を受容する経営スタイルへと進化し、その変容は組織全体に波及。新たな組織文化を育んでいます。その変容の過程や影響についてお伺いしました。

期待

● 経営者としての次のステージへの進化

● 持続可能な組織づくりのスキル獲得

● 0→1(プロトタイプ)フェーズから持続的成長への移行

効果

● メンバーとの対話形式の変化

● バランスの取れた事業運営の実現

● 多様な価値観を受容する自身の変容と組織文化の醸成

    事業内容:問屋流通前のクラフト品に特化した7,000社の取引を支えるプラットフォームの運営

    齋藤愛華(以下、齋藤)

    まず御社のビジネスの特徴についてお聞かせください。どのような点で従来の卸売業と異なるのでしょうか?

    野口寛士氏(以下、野口氏)

    orosy株式会社の代表をしております野口と申します。orosy(オロシ―)という名前の通り、小売りの卸と仕入れ取引のマーケットプレイスを運営しています。有名商品ではなく、まだ問屋に流通していないようなクラフトマンシップや付加価値の高い商材、ユニークな商品を中心に展開しているのが特徴です。

    変容の契機:ドライバー型CEOが感じる従来スタイルの限界と自身の変容の必要性

    齋藤

    ありがとうございます。今回の受講をお申込みいただいたきっかけをお伺いできますか?

    野口氏

    プロダクト・マーケット・フィット(製品が特定の市場において適合している状態)を達成できて、お客さんが7,000社規模になってきた今、事業として次の段階に進む必要性を感じ始めました。
    私は、ソーシャルスタイル*でいうと非常にドライバー型(行動派で感情を抑える×主張するタイプ、価値観として)で、0→1(プロトタイプ)を作る段階では、それで良かったのです。投資家からもよく、「経営チームを作らないのか」や「チームをどう作るのか」という質問受け続けてはいましたが、プロダクトができてユーザーが増えていたので、あまりそのことに向き合ってきませんでした。

    *ソーシャルスタイルとは
    コミュニケーションスタイルを「感情表現の度合い」と「自己主張(思考表現)の度合い」の2軸によって4つのタイプに分類することで、それぞれの特徴を理解し、適切なコミュニケーションのヒントを得ようとするもので、相手に興味関心を寄せ、観察し、理解しようとするためのツールです。

    以下にタイプ/価値観を表す単語例を記載
    ・アナリティカル:思考派(感情を抑える×主張しない)/専門性・正確性・論理性など
    ・ドライバー:行動派(感情を抑える×主張する)/結果主義・実践的・効率的など
    ・エミアブル:協調派(感情を表現する×主張しない)/信頼・協力・安全性など
    ・エクスプレッシブ:感覚派(感情を表現をする×主張する)/新規性・自由さ・自発性など

    しかし、1から100に積み上げていくフェーズに移行する中で、今まで自分がやってきたスタイルの限界を感じ始めました。次のステージに行くためには、「経営者として変わる必要があるのではないか」と感じ、受講を決めました。

    株式会社orosy 野口寛士氏:受講について説明する写真

    二段階の変容:経営者としての変容と自分自身の価値観の変容

    齋藤

    「経営者として変わる必要がある」という覚悟を持ちご受講された野口さんですが、実際にプログラムを受講されてみて、どんな変化がありましたか?

    野口氏

    実は受講中に二段階の大きな変容がありました。
    一段階目は、「経営者として変わる」という比較的オーソドックスな変容だったと思います。
    具体的には、「自らが先頭に立ち、一人で課題解決や価値創造のためのアイディアを出していくあり方」からの脱却です。これは、傾聴・承認・質問といったコーチングの技術を学ぶことで変容することができました。
    一方的に自らの考えを話すのではなく、メンバーの話をじっくり聴き、背景にある考えや価値観や引き出しながら、相手の発達段階に合わせて関わり、メンバーが自ら課題解決ができるようにサポートしていくあり方を身につけることができました。

    元Linkedin CEO - Jeff Weinerが語るスタートアップがスケールするときに必要な「リーダーのモードチェンジ」の説明をまとめた画像。事業がスケールしているタイミングでは経営側にいる人間は「課題解決を自らするモード」から「コーチング的な関わりをしていくモード」にチェンジすることが必要であり、過去4年で社員数が10倍になった組織のこの成長は、自分が課題解決モードに留まっていたらありえなかったと語っている。

    (参考資料:リーダーのモードチェンジ)

    最初は経営スキルの向上という期待値で、コーチングというスキルを体系的に学び、自己理解を深めることができました。
    もちろんその期待を叶えることはできたのですが、それ以上に価値があったのは、第三者に何でも話せる安心感でした。代表という立場上、株主にも社内のマネージャーにも、さらには家族にも全てを話すことは難しい。そんな中で、2週間に1回、”代表”の鎧を脱いで話せる場があることは、非常に貴重でした。

    齋藤

    特に印象的だった学びや教材はありますか?

    野口氏

    大きな転換点になった学びが二つありました。

    一つ目は、ソーシャルスタイル理論です。(記事上部「実際に使用した教材の一部:ソーシャルスタイルとは?」参照)
    私自身、かなりドライバー型気質で、9:1でドライバー型とアナリティカル型だったんです。それまで「自分の性格だから仕方ない」と諦めていた傾向に、実は「ドライバー型」という名前があり、それは一つの型に過ぎないということを知りました。
    全てのソーシャルスタイルに価値があるということを知ったとき、メンバーの顔が思い浮かび、一人一人の特性を具体的に理解できました。本当に一つ一つが腑に落ちた体験でした。

    二つ目は、ポラリティマネジメントの考え方です。

    「ポラリティのマネジメントとは?」を解説するスライド。主題は、「自分・組織(チーム)に存在する中長期的にお互いを必要とするポラリティにリーダーとしてどう向き合い・どう意思決定するのかをマネジメントすること」。以下の要素が含まれる。  <ポイント(Point)>どちらの極も組織の中長期的な目標達成に良い影響を与えることを理解し、排除するのではなく、2つの極の良いところを自転車のペダルのようにバランスを取り進むことが重要。 ポラリティのマネジメントによって、どちらかの極に偏り良くないところのゾーンに陥ることを防ぎ、軌道修正できることが大切。 <図表(∞型)>  左側(戦略): 良いところ: 未来に向けて進むべき方向が明確。 良くないところ: 今の課題にスピーディーに対応できない。 右側(実行): 良いところ: 今やるべきことにスピーディーに対応できる。 良くないところ: 中長期的に危機にさらされる。 両極の「良いところ」を活用することで事業の良い成果につながることを示唆。

    (実際に使用した教材の一部:ポラリティマネジメントとは?)

    私の場合、0→1を決める、白黒はっきりさせる、スピード重視という極端な軸で動いていました。しかし、それはあくまでも極端な極であって、偏りすぎるとどれにも寄り戻しがあるということを学びました。
    また、自分が極端な極に偏っているために、もう一方の極を大事にしているメンバーの言動を受け入れられず、メンバーをネガティブに評価してしまうことがありました。

    ポラリティのマネジメントを学ぶことで、人は常にスピードとプロセスの両極の価値観を持っていて、どちらかに振り切ってしまっていることがあることに気がつきました。自分が今どちらに偏っているのかを意識することで、意図的に必要なほうに寄せることができるようになりました。今まではもやもやとした際にも、「これは私の性格だからしょうがない」って諦めていましたが、実はコントロールできるんだという発見がありました。

    それぞれのコンテンツを受けたタイミングもよかったです。
    特にソーシャルスタイルについては、かなり後半の方*にあり、それまでのプロセスを通じて自分の知識やマインドの準備ができていたからこそ、効果的に学べたと思います。

    *コーチェットではクライアント様の状況や課題に応じて、コンテンツをアセスメントしながらプログラムを作成しています。
    参考:コーチェットマンツーマン研修 特長
    https://coached.jp/#feature

    株式会社orosy 野口寛士氏:転換点について説明する横顔の写真
    齋藤

    どちらもご自身の価値観に関係する重要な気づきですね。それらの学びは組織でどのような影響がありましたか?

    野口氏

    実は、このポラリティの考え方を、マネージャーの合宿でもメンバーにも伝えてみたんです。すると、それが合宿で最も人気のコンテンツの一つになりました。私も感動していたし、他のメンバーも共感し感動してくれました。このあたりが、コーチングに取っつきやすい、実践的な価値を感じられるポイントになったと思います。

    齋藤

    野口さんの体験をもとに、組織にも広がっていらっしゃいますね。
    組織でのご自身のスタイルに変化はありましたか?

    野口氏

    これまで私はドライバー型気質だったので、採用や面談、社内のコミュニケーションも全てその価値基準のみで行っていました。ドライバー型の応答がないと話の途中を待てなかったり、興味を失ったり。全ての人はドライバー型であるという偏った見方をしていたのです。
    ですが、それは私のキャパシティが狭すぎただけで、ドライバー型で返答が返ってこない人がいるのは当たり前だと思えるようになりました。むしろ、異なる視点や価値観を持つメンバーがいることで、組織は豊かになる。この気づきは、採用や育成の方針にも大きな影響を与えてくれました。

    株式会社orosy 野口寛士氏:インタビュワーに笑顔で話す写真
    齋藤

     経営者としてのスタイルが大きく変化したのですね。二段階目の変容はどんな体験だったのでしょうか?

    野口氏

    この二つ目が本質的な変容でした。
    自分自身の中にも、ドライバー型以外の価値観があることに気が付きました。ドライバー型ではない感覚がたしかに自分の中にあって、最初は違和感を感じていたのですが、それに「名前」がつき、理解が深まっていきました。今までの自分のやり方であるドライバー型しか知らなかった私が、自分の中にも他の型の価値観があることに気が付き、内包されていき、そこで初めて本当の意味で、他の価値観も理解ができたのだと思います。

    大学3年生のときに起業をして、今日まで13年間スタートアップ界隈のことしか知らず、何か他のことは全く知らずに奮闘してきました。この界隈で必要とされやすいドライバー型のような価値の尺度についての何の疑いも持っていませんでした。
    ですが、多様な価値観を自分の中に得ることで、いろいろなものが見えるようになり、キャパシティが大きくなり、様々な価値観をもとにした定規を使って立体的に判断できるようになりました。

    齋藤

    名前が付くことでご自身の内部でも変容が生まれたのですね。
    それによりご自身の在り方や考え方など、変わったことはありますか?

    野口氏

    そうすることで、自分が「すべきだ」と思っていた固定概念から解放されていったように思います。ドライバー型・スタートアップらしさ・経営者・資本主義など、単一的な固定概念に縛られずに、それ以外の選択肢も含めた、全てを包括したような新しい在り方を模索するようになりました。固定概念から解放されて、より自分らしさを取り戻せたのかもしれません。

    また、プライベートでは、極端な例ですが、以前は仕事以外は時間の無駄と考え、全ての時間を仕事に充て、両親へのLINEの返信すらも億劫で後回しにしていました。今では、それぞれの場面で異なる尺度があって良いと考えられるようになり、人間関係もより豊かになってきたように感じます。

    株式会社orosy 野口寛士氏:手振りを交えて笑顔で話す写真

    組織の変容:効率性ではなく自社にとって最適な方法を見つけることが次のステージに繋がる

    齋藤

    ご自身のあり方や生き方に関わる「価値観」が変わられたのですね。その深い変容は、組織運営にどんな影響を与えたのでしょうか?

    野口氏

    当社は2018年からフルリモートで、従業員が30人程度で全員フルリモートという形態をとっています。以前は効率を追求するあまり、雑談やミーティング時の会話も不要と考え、全て廃止していました。

    当時はミーティングは相手からの情報収集として、相手の気持ちは考えもしていませんでした。今では、他の価値観も受け入れられるようになったことで、相手のための時間と捉えることができるようになり、情報収集ではなく、相手の話を聞く、意見の交換ができるようになったと思います。
    メンバーからも「以前より話を聞こうとする姿勢になっている」と言われたり、アルバイトの方からも「柔らかくなった」「話しやすくなった」と言われたりするようになりました。

    この体験から、一見非効率に見えることでも、メンバーの話をじっくり聞き、自社にとって最適な方法を見つけることが大切だと気づきましたし、次のステージにいる企業は、それぞれが独自の方法を見出し成長を遂げていることがわかりました。私も自社に適した方法を見つけ出すことで、次のステージへ進んでいきたいです。

    株式会社orosy 野口寛士氏:にこやかな表情で話す写真

    プラットフォーム運営の変容:「多数の参加者が居る市場」へ非効率から生まれた好循環

    齋藤

    ご期待いただいていた、次のフェーズに向かうために必要なことを見出されたのですね。ご自身の経営者としての変容は、そのさらに先の事業運営にどのような影響がありましたか?

    野口氏

    以前の私は資金調達のためのKPIや、数値を追いかけた施策、悪い意味で「プラットフォーム」的な考え方をしてしまっていました。ですが、今では、プラットフォームを「多数の参加者がいる市場」として正しく捉え直すことができた気がします。例えば、新規開拓のための施策を考える際も、それが既存ユーザーにどのような影響を与えるのかを必ず検討するようになりました。

    齋藤

    言葉の印象が大きく異なりますが、そう捉え直すことで、具体的にどのような成果につながっているとお感じになりますか?

    野口氏

    以前は効率や数値だけを見てしまうケースもありましたが、今は一層ユーザーの声に耳を傾けるようになりました。すると、今までは無かった既存ユーザーからの紹介で新規ユーザーが入ってくるという好循環も生まれていきました。
    また、一見非効率に見える施策でも、長期的には組織の持続可能性につながるものがあると気づきました。これは、多様な価値観を受け入れられるようになった一つの成果だと感じています。

    株式会社orosy 野口寛士氏:手振りを交えて話す写真

    今後の展望:持続可能な成長に向けて

    齋藤

    大きな変容をご経験された野口さんの今後の展望についてお聞かせください。

    野口氏

    起業家として0→1を経て、この新しい価値観を磨きながら次のステージを目指していきたいです。具体的には、会社として、組織として事業が持続可能な状態を作っていきたいですし、しっかりとサービスが社会にインストールされ、回り続けるような状態を次のフェーズとして考えています。

    齋藤

    そのようなあり方を模索する中で、今後経営者として大切にしていきたいことは何でしょうか?

    野口氏

    これまでスタートアップの創設者として、効率性とスピード、成長を重視してきました。しかし、企業固有の価値というのは、効率だけでは測れないものだと気づきました。他社からは非効率、他者からは遅く見えるかもしれません。しかし、自社にとって最適な回答を見つけていく必要があると思います。

    齋藤

    具体的にどのような組織を目指していきたいとお考えですか?

    野口氏

    プラットフォームに参加頂いている「多数の参加者」のことを考え、多様な価値観を受け入れながら、持続的に成長できる組織を作っていきたいですね。スタートアップの創設者は、SNSを開くとスタートアップの定石や経営者としてのべき論などがあり、どうしても一般的な効率や成長を求めすぎてしまうところがありますが、そこから一歩引いて、自社にとっての最適解を見つけていくことが重要だと考えています。

    齋藤

    最後に、同じような課題を持ちつつも、受講を迷われている経営者の方々へメッセージをお願いできますか?

    野口氏

    やはり一番実感しやすい、すぐに変わりやすいのは、本質的な問題を認識したり、変えたいと思っているときだと思います。ただ、それはもしかしたら手遅れかもしれないです。
    もっと前の段階で、他者からフィードバックを受けて、「ちょっと違うのではないか」と感じ始めたとき、そういった早い段階で、自己と組織の変革に取り組むことをお勧めします。

    私も今振り返ると、もっと早くに取り組んでいたら良かったのではないかと思います。

    齋藤

    お話を聞かせてくださってありがとうございました。
    ご自身らしさを取り戻された野口さんの益々のご活躍と御社の発展を心より応援しております!

    株式会社orosy 野口寛士氏:会議室の壁で立つ写真

野口 寛士

1991 年生まれ。関西学院大学 商学部卒。大学在学中、映画「ソーシャルネットワーク」に感銘を受け、Twitterでエンジニアを募集しアプリ開発のチームを立ち上げ、アプリ開発を始める。チームメンバーと米シリコンバレーを訪問。現地で日本オラクルや日本セールスフォースを立ち上げたベンチャーキャピタルに出会い、交渉の末彼らのオフィスの一画で1ヶ月間のテント生活をしながら、アプリのプレゼンと開発をで行う。その後日米を含む投資家から 1.2億円の投資を受け学生起業、日本と米国を中心に活動。2018 年 3 月同社退任、2018年5 月株式会 社スペースエンジン(現orosy株式会社)を設立し、D2B ブランド専門の卸・仕入サービス「orosy」を運営。

[文]コーチェット

[写真]近藤 織弓

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現状や課題感を伝える

現状や感じていらっしゃる課題感をお話しいただき、状況と根本要因を整理します。

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02.

要因の見立てと解決策を聞く

現状・課題・ご希望に応じて、解決策をご提案します。

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理想に向けたアプローチを決める

実現に向けてのロードマップや最初の一歩をご提案します。

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