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鎌倉市教育委員会/鎌倉市立御成中学校

コーチングは、全ての学校で求められているコミュニケーションのあり方

会社名

鎌倉市教育委員会/鎌倉市立御成中学校

受講者・チーム

岩岡寛人 / 小日山理香 / 伊川豪輔

会社規模

  • 101-300名

利用サービス

グループトレーニング

受講生インタビュー

コーチングは、全ての学校で求められているコミュニケーションのあり方

不確実性の高い時代を生きる子どもたちの教育に必要な、「教員向けコーチングスキル習得研修」とは。

2023/7/28

不確実性の高い時代を生きる子どもたちには、自ら考え学び続ける力が求められています。その力を育てるためには、これまでのティーチング型のコミュニケーションだけでなく、コーチング型のコミュニケーションが必要ですが、教育者の多くがコーチングスキルを学ぶ機会がありませんでした。 鎌倉市教育委員会では、新しい教育への取り組みとして2022年7月~2022年12月の3ヶ月間、教育委員会・公立中学校・小学校の校長・教頭職の先生方を対象に、CoacEdのコーチングスキル習得研修を受講されました。 コーチングスキルを学び、現場でコーチング型のコミュニケーションを体現されている鎌倉市教育長の岩岡さん、鎌倉市立御成中学校の小日山先生・伊川先生にインタビューを実施し、受講によるご自身の変化や、周囲への影響についてお話していただきました。

期待

● コーチングスキルを導入することで、個人の多様性を認める学校の組織作りをより良くしたい

● どちらが正しいかをジャッジして課題を解決するのではなく、お互いの価値観を掘り下げ、尊重しあいながら課題解決ができる組織風土にしたい

● ティーチング型リーダーシップを持った先生方に、コーチング型リーダーシップを使えるようになってほしい

効果

●「しっかり相手の話を聴く」「相手の言葉を承認する」「相手に好奇心を持って質問する」などができるようになり、自分が判断しなくてはいけないという考えや行動が変わった

● 現場の先生方がイキイキしながらやりたいことをやれるようになった

● 学校全体で先生方同士のコミュニケーションが増えてきている

● 相手の感情や行動の背景に目を向けて話を聴くことで、自分が判断して推進させるのではなく、相手がオーナーシップを発揮できるようになった

● コミュニケーションのあり方を話題にする時の共通言語ができた

    子どもの未来に必要な力を育てられる学校組織になるために、コーチングスキルを導入したい

    ーはじめに教育委員会の職務内容を教えてください。

    岩岡寛人(以下、岩岡)氏

    公立小中学校25校の管理運営と、文化財保護、図書館や生涯センターといった生涯学習施設の運営をしています。

    学校に電子黒板・iPad・Wi-Fiを置いて教育活動を変えていくこと、学校と学校の外を繋いで魅力的な教育を生み出していくことなど、全25校が共通で取り組むための環境整備を整えていくのが教育委員会の役割です。

    ー運営する上で、教育ビジョンや大切にしていることはなんでしょうか?

    岩岡氏

    教育委員会の存在意義は、子どもたちが今も将来もワクワクしながら、幸せに暮らす社会の実現にあります。

    私たちが一番大事にしているのは、子どもたちの今と未来です。子どもたちの今だけでなく、未来も幸せにするのが教育です。子どもたちの未来に必要な力を考えながら、今の教育に落とし込んでいく。子どもの今と未来の視点に立って考えることを大事にしながら、教育政策を進めています。

    ーそのような施策を推進される中で、今回、教育委員会、公立中学校・小学校の校長・教頭職の皆様でCoachEdのコーチングスキル習得研修(以下、CoachEdの研修)の受講を決めたきっかけを教えてください。

    岩岡氏

    根本にあるのは、社会の変化です。世の中はどんどん変わっており、求められるスキルも目まぐるしく変わっていく時代に入ってきています。そんな時代に子どもたちを預かり、教育をする時に、我々の教育感も進化させていかなければなりません。

    「このスキルを身につけたら、将来絶対成功できるよ」という教えは、もう通用しません。これからは、子どもたち自身が自分らしく学び、自分の特性を活かしながら力を発揮する方法を教えていくことが重要です。我々も、そんな教育のあり方に変わっていかなければならないと考えています。

    教育のあり方を変えていくためには、教師と生徒の関係を変える必要があり、教師と生徒の関係を変えるには、学校の中の大人たちの関係から変わっていかなければなりません。

    これまでのように、ベテランの先生や管理職が「こういう指導がいい指導だよ」「こういう学校運営こそ目指すべき答えだよ」と教え、若い先生がそれを守っていくといった関係から、先生一人ひとりが「こんな先生になりたい」「こんな学校にしたい」といった思いを持ち、周囲のサポートを受けながらその思いを実現していく関係性に変えていければ、教育のあり方も必然的に変わっていくのではないかと思うのです。

    そのためにはまず、学校組織の中に、新しい教育のあり方の土台を作っていく必要があります。しかし、新しい教育のあり方、新しい関係性の考え方などは、本を読めば理解できるというものではありません。自分とは違う他者の価値観に触れ、他者とコミュニケーションをとる中で受け入れていけるものだと思います。

    2021年の管理職研修では、『カラフルな学校作り』の著者であり、横浜市で長く校長を務められた住田昌治さんに「個人の多様性を認める学校作り、組織のあり方」について講演していただきました。先生たちからは、「自分の学校に活かせる具体的な方法を知りたい」といった感想が多かったので、来年は具体的なスキルを学べる研修をやろうと考えていました。

    その頃、CoachEdと熊平美香先生(一般社団法人21世紀学び研究所代表理事)とのご縁があり、コーチングの有用性を知りました。学校の組織作りにコーチングスキルを導入したら、鎌倉市の学校がもっと良くなるのだろうと思えたので、CoachEdの研修の実施を決めました。

    ー具体的には、CoachEdの研修にどのような期待がありましたか?

    岩岡氏

    ティーチング型リーダーシップを持った先生方に、コーチング型リーダーシップを使えるようになってほしいということ。また、すでにコーチング型リーダーシップができている先生には自分がやっていることを言語化して、他の先生に伝えられるようになってほしいという期待がありました。

    ーなるほど。CoachEdの研修前に不安や迷いはありましたか?

    岩岡氏

    2つありました。一つは、忙しい先生方の負担になるかもしれない不安です。コーチングスキルを身につけるためには、密度の高い研修が必要です。実際、3ヶ月間の研修は負担だったという声もありました。

    もう一つは、オンラインでの研修になったことです。対面で行う方が密なコミュニケーションが取れると思いながら、コロナの状況もあり、Zoomのブレイクアウトルームを活用したオンラインでの実施となりました。オンラインでどれだけ自分ごととしてコーチングを受け止められるだろうか、という不安はありましたね。

    ーそのような不安や懸念がありながらも、CoachEdの研修の実施を決断された背景には、どのような願いがあったのでしょうか。

    岩岡氏

    教育長という立場で仕事をしていると、トラブルの親玉みたいなものがたくさんやってくるのですが、事実の見方も、ものの考え方も人によって違うので、どちらが正しいか正しくないかをジャッジしても根本的な解決にはなりません。むしろ、正しいか正しくないかで解決してしまうと、正しくないとされた方はネガティブな感情を持ってしまいます。そうなると、その後その人が学校運営で活躍してくれることはなくなってしまうんですよね。

    どちらが正しいかをジャッジして課題を解決するのではなく、お互いの価値観を掘り下げ、尊重しあいながら課題解決ができる組織風土にしていかないと、学校は前に進めなくなってしまうと感じていました。コロナ禍で全体のコミュニケーションが少なくなっている今だからこそ、その課題感がより高まり、「やらなければ」という強い思いになりました。

    「自分が判断しなければならない」という考えから「自分が表現することばかりだった」と気づいた

    ー実際にCoachEdの研修を受講されたお二人の先生は、CoachEdの研修の実施を聞いた時、どのような感想をお持ちになったのでしょうか?

    小日山理香(以下、小日山)氏

    お得感を感じました(笑)。「時代はティーチングではなくコーチングだ」という話はよく耳にしていて、コーチングを取り入れようという意識はありました。ですので、本を読んで一人で考えるより、研修で実践的に教えてもらえるほうが面白そうで、お得だなぁと思いましたね。

    伊川豪輔(以下、伊川)氏

    私は、これまで部活動で自分の専門でない競技を指導する時、子どもたちと話し合って練習方法を考えていました。子どもたちもやる気が高まって、いろいろなアイデアを出してくれるため、コーチング的な関わり方の良さはわかっていました。ただ、コーチング的なコミュニケーション「スキル」を学んだことはなかったので、指導に役立つ学びを得られたらいいなという期待を持ちました。

    ー新しい方法を学ぶことへの抵抗感や不安はどうでしたか?

    小日山氏

    コーチングが大事だということはわかっているつもりでしたので、抵抗感はなかったですね。ただ、振り返ってみると、「今はコーチングが大事な時代なんだ」と言われていたから「コーチングが大事なんですね」と受け取っていただけだったと思います。「世の中がそうなっているからそうなんだ」という姿勢でしかいなかったというか。言葉としてコーチングを知っていただけでしたね。研修を受けて、改めてコーチングは必要なスキルだと実感を持つことができました。

    伊川氏

    私も抵抗感や不安はありませんでした。自分のコミュニケーションスキルをもっとよくしていきたい、新しいことを学んでいきたい気持ちの方が強かったです。

    小日山氏

    抵抗感はなかったのですが、教師として「ちゃんとしなきゃいけない」とか「ちゃんと見られなきゃいけない」という気持ちがあって、研修で自分がどう見られるか、という不安はありましたね。そんなふうに思う必要はないのかもしれないけど、自分の学校という空間を出る時には、プレッシャーのような不安のようなドキドキを感じてしまうんです。

    ー小日山先生は、CoachEdの研修を受けて、特にどんなことが印象に残っていますか?

    小日山氏

    実際受けてみて、これまでのコミュニケーションは「自分が表現する(伝える)」ということばかりをしていたと再認識しました。

    自分の想いや考えを伝えたり、経験談から「こうした方がいい」とアドバイスをしたり。これまで、特に校長になってからは「自分が判断してあげなくてはいけない」と思っていたのですが、コーチングの研修を受けて、そうではないと思いました。自分が判断するだけではなく、相手のことに興味を持って話しをしたり、質問したりして相手に考えもらうことが必要だと思えました。

    また、トレーナーからコーチングを受けた体験が印象的で、毎回とても楽しかったです。誰も入ってこない落ち着いた場所に座り、自分の話に耳を傾けてくれるトレーナーと話す時間は幸せでした。周囲の目が気になるので、オンラインでよかったと思いますし、気を張らずにコーチングを受けることができました。

    コーチングを受けている時に、トレーナーが「それは具体的にはどういうことですか?」などとバイアスのない「素直な質問」で深掘りをしてくださったことも新鮮で印象的でした。トレーナーから質問をされたことで、自分が大事にしていた気持ちの原点に戻れるような、自分がまっさらになる心地良さを感じました。心地良かった感覚を思い出しながら、現場でも率直な質問を実践してみようと思っています。

    コーチングを活用して、すぐに評価しないフラットな関係性づくりを目指す

    ーCoachEdの研修を受けて、小日山先生自身にはどんな変化がありましたか?

    小日山氏

    研修を受ける前は「自分の経験を教えたい人」でしたが、今は「相手の話を聴きたい人」になりました。聴くのが楽しくなってきて、評価や価値観をフラットにして、耳を傾けることに一生懸命取り組んでいます。

    以前は、「先生にパーソナルなことを聴いてもいいのかな」という迷いがあったのですが、質問をすることで、スッと話してくださることもあります。「話しておきたかったんです」という人もいるので、パーソナルな部分や本音を話すきっかけとなる質問ができるように、チャレンジを続けていきたいと思っています。

    また、先生方の話を聴くことが楽しくなったことで、若い先生たちがイキイキして、先生方が「やりたいな」ということができている感覚がありますし、先生方同士のコミュニケーションも増えてきているように感じます。私は、仕事の話が楽しくできるようになるといいと思っているので、そういう関係性をもっと作っていきたいと思っています。

    ー小日山先生は「聴く」「質問する」というスキルを活かして、先生方の本音や意欲を引き出していらっしゃるのですね。今後、コーチェットで学んだことを、現場でどのように活かしていきたいですか?

    小日山氏

    私は、仕事だけではなく生活を含めて人生を考えないと人は幸せにはなれないと考えています。そのため、生活面を含めて先生方がどうありたいか、トータルしてどう組み立てていきたいかなど、質問していくようにしたいですね。

    また、会議の場、子どもや保護者と接するときに、マルとかバツといった評価をつけてから話をするのではなく、まずはフラットにお互いの話を聴くことにチャレンジしてみたいですね。学校全体で評価や価値を一旦わきにおいて、お互いにフラットに対話できる関係を作っていけたらとてもいいですよね。

    私たちはどうしてもすぐに評価をしたがったり、価値をつけたがったりします。でも、そうではないあり方を折に触れて発信していきたいですし、私自身がフラットであることでうまく物事が進む姿を見せることで、他の先生たちも実感してくれるかなと思います。

    例えば、職員間のコミュニケーションに入っていて、しっかり傾聴するところをみてもらうことで実感をえてもらいたいです。

    相手を支援するために必要な「自身の姿勢・気持ちのあり様」が変わった

    ーでは次に伊川先生は、CoachEdの研修を終えてどんな感想をお持ちになりましたか?

    伊川氏

    一言で言うと、難しかったです(笑)。

    例えば、教えていただいた「傾聴」も、ふだんからやっている自信があったんですよ。しかし、いざ研修を受けてから実践してみると全然できていなくて。話を聴いているつもりでも、「そうそう」と相手の話をさえぎって反応している自分に気づいたり。「承認」に関しても、自分は承認のつもりで返事をしても、相手はただのあいづちとしか受け取っていないこともあると気づいたり。傾聴も承認も難しいと実感しました。

    それに、傾聴ができても、次の質問がすぐに出てこないんですよ。いつも同じ質問になってしまいがちです。質問が変われば相手の視点が変わったり、考えが深まったりするきっかけにもできるので、工夫していきたいところです。自分のコミュニケーション能力をもっと磨かなければいけないと痛感した研修でした。

    まだまだ上手くできたといえるほどではないんですけど、先生や子どもたちから提案を受けた時に「それいいよね」としっかり承認すると、「やってみます!」と前向きな返事があって、やる気を出してくれます。

    ー難しさをお感じになりながらも、現場でご活用されていらっしゃるのですね。伊川先生がCoachEdの研修の中で特に印象に残っている体験は何でしたか?

    伊川氏

    自分の話をちゃんと聴いてもらって、承認してもらえるってとても嬉しいことなんだと体験できたことでしょうか。しっかり傾聴してもらって、「そう思っているんですね」「いいですね」と承認してもらうと自信にもなるし、次へ進む原動力になりますね。認めてもらえることが一番の喜びで印象に残っています。

    ーCoachEdの研修を受けて、ご自身が変化・成長したと感じることはありましたか?

    伊川氏

    傾聴や承認を通して、相手を支援する自分自身の在り方・姿勢をもてるようになったことです。

    相手の話をしっかり聴くためには、自分自身が落ち着いていなければなりません。落ち着くことで色々周りが見えてきますし、相手に役立つアイディアを提案することもできます。

    落ち着いた気持ちのあり様は、研修を受けて変わりました。

    傾聴と承認をしっかりしていきながら、誰もが前向きに、頑張れるように寄り添ってあげられるようサポートしていきたいと思います。

    ーコーチングを学んだお二人からみて、「現場で活躍する教職員がコーチングを学ぶ価値」はどんなところにあると思いますか。

    小日山氏

    私はコーチングを学んだことによって、「こうせねばならぬ」ということから解放されることができ、人間関係づくりが非常に楽になりました。人間関係においては、自分が「どう思われるか」と構えることを手放したり、相手を比較・評価するのではなく、それぞれの生き方に関心を持っていくことが大切です。コーチングの学びを経てこのようなことに気づくことが、教職員にとっての価値になると思います。

    伊川氏

    私は、コーチングはする方もされる方も「お互いに元気になるもの」だと思います。先生も生徒も一緒に元気に楽しく、いろいろなことにチャレンジしていくためには、コーチングスキルを身につけることが必要だと思います。学校のみんなのために、先生も生徒も一緒にコーチングを学ぶ機会があるといいのではないでしょうか。

    感情の構造に光を当てたコミュニケーションで、職員への対応が変わった

    ー岩岡さんはCoachEdの研修を受けて、ご自身に変化や成長があったと思われますか?

    岩岡氏

    感情に自覚的に目を向けられるようになったのは、私の一番大きな進歩だと感じています。

    対立する複数の価値を調整するのが私の仕事ですが、必要なのは「条件を調整すること」だという思い込みがありました。ですが、誰もが合理的に動いているわけではなく、その価値の背景にある感情や、その感情を生み出す原動力になる経験があるわけですよね。そういった背景や感情に目を向けて調整することがすごく大事なんだと、コーチングを受けて改めて感じました。

    CoachEdのトレーナーから「どんな気持ちでその言葉を発していますか?」と聞かれて、「気持ちか」と思いながら自分の感情を答えると、「その感情の背景には何があるのでしょうか?」と聞かれて、自分の感情の背景にあるものを掘り下げていくと、自分の心のエンジンの構造がわかってきたんです。自分の構造がわかると相手の構造も理解できるようになります。客観的な環境や条件ではなく、その人自身が持つ感情の構造に光を当てたコミュニケーションの取り方を学べたのは大きな成果です。

    また「存在の承認」「行動の承認」「成果の承認」「成長の承認」と4つの承認を学んで、承認のバリエーションが驚くほど増えました。以前は、「元気?」「最近どう?」くらいしか承認の方法を知りませんでした。

    最近では、「こないだ午前中いなかったね」といった存在の承認や、「こないだのnoteの記事すごく良かったよ」という行動の承認ができるようになって、いかなる環境でも必ず何かの承認ができる自信がつきました。部下との関係がうまくいっていない人に、「この承認の形態が足りていないんじゃないかな」と具体的にアドバイスできるようにもなったのは、体系的に承認のスキルを学んだおかげです。

    ー「感情の構造に光を当ててコミュニケーションすること」について、具体的にはどのような場面で活かされていますか?

    岩岡氏

    以前は職員から相談を持ちかけられると、課題の指摘や修正指示をすぐに出す判断をしていました。私が判断すればその方向に進むのですが、職員がオーナーシップを発揮する機会を奪ってしまう場合もありました。

    研修を受けて以降、「あれ」と違和感を感じても自分の意見から伝えるのではなく、まず「これってどういう気持ちでこのやり方にしようと思ったの?」と背景にある感情や経験を掘り下げて聞きます。すると「前に、こういう仕事をしたときに…」という理由が必ずあるので、「そういう背景があるからなんだね」とそれをまず承認をします。その上で、「今だったらちょっと違うやり方ができるかもしれないね」と伝えると、相手も自分の価値観を攻撃されている訳でないとわかって「新しいやり方でやります。相談して良かったです」と言ってもらえる場面が増えました。

    環境や関係性を変えていきたいなら、スキルを学んだ方がいい

    ー鎌倉市の教育委員会・管理職の先生方全体でコーチング研修に取り組んだことの最大の成果はどんなところにあると思いますか?

    岩岡氏

    最大の成果は、コミュニケーションのあり方を話題にする時の共通言語ができたことだと思います。

    御成中学校のように、どんどんコミュニケーションがうまくいってる学校もあれば、なかなか苦しいコミュニケーションの課題を抱えている学校もあります。そうしたときに「傾聴の話なんだけど」や「承認の話なんだけど」と言えば伝わる状態にできていると、お互いに相談やアドバイスをするハードルがグッと低くなります。

    校長会でみなさんが議論する時も、「この人は自分の知らない知見を話そうとしてるんだ」という前提ではなくて、「あのときのあれですね」と受け止めて会話をするための共通言語ができたのは最も大きな成果だと思いますね。

    ー共通言語ができたことで、この先の鎌倉市の学校にどのような可能性を感じますか?

    岩岡氏

    教職員や子どもたちが安心できる、心理的安全性の高い環境作りに繋がると期待しています。

    その先には、社会の変化が起きた時に対話を通じて前向きに受け止めて、面白がって、積極的に関わっていくことができるような学校組織になっていくことが目指すべきところだと思っています。

    ーCoachEdのコーチング研修は、どのような教育環境の学校や、教職員の方におすすめしたいですか?

    岩岡氏

    同僚との関係、管理職との関係、保護者との関係、子どもとの関係に悩んでいたり、学校組織内で思ったことが言えない状態に不安を抱えていたり、コミュニケーションにストレスを感じている・何かモヤモヤしている方にはコーチングを学んでほしいと思います。

    「組織にこういう人がいるからできない」「こういう組み合わせだからできない」など、周りの環境に原因を求めがちですが「そういう環境でも温かいコミュニケーションはできるんだよ」と伝えたいです。思いだけでは実現が難しいことも、スキルを身につけたら変わっていく部分があると今回の研修を通じて感じました。環境や周囲の関係性を変えたいという思いを持っていたら、ぜひスキルを学んでみてください。

    お財布との相談もあると思いますけれども(笑)。本当に今、特定の学校だけでなく、全ての学校で求められているコミュニケーションのあり方だと思いますので、ぜひ勇気を持って飛び込んでみてほしいですね。

    ー皆さん、素敵なお話を聞かせていただきありがとうございました!

岩岡寛人 / 小日山理香 / 伊川豪輔

鎌倉市教育長 岩岡寛人氏

鎌倉市立御成中学校 小日山理香氏

鎌倉市立御成中学校 伊川豪輔氏(現:鎌倉市大船中学校教頭)

[文] 栗原京子

[撮影] 大倉英揮

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01.

現状や課題感を伝える

現状や感じていらっしゃる課題感をお話しいただき、状況と根本要因を整理します。

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02.

要因の見立てと解決策を聞く

現状・課題・ご希望に応じて、解決策をご提案します。

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03.

理想に向けたアプローチを決める

実現に向けてのロードマップや最初の一歩をご提案します。

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