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ANRI株式会社

「共通言語」で組織をアップデート。対話のプロトコルを揃え、個の力を引き出す

会社名

ANRI株式会社

受講者・チーム

全社員

会社規模

  • 11-30名

利用サービス

パーソナルトレーニング・パーソナルコーチング

受講生インタビュー

「共通言語」で組織をアップデート。対話のプロトコルを揃え、個の力を引き出す

「相手の想いを聴く技術」を学べるコーチング習得プログラム「CoachEd(コーチェット)」とは。

2022/12/26

CoachEdを修了されたANRI株式会代表パートナーの佐俣アンリさんに、CoachEdでの体験について担当コーチの立山がインタビューしました。 インターネット・ディープテック・ライフサイエンス領域などを中心に投資を行うANRI株式会社は、2022年に創業10周年を迎えました。組織が拡大していくタイミングで、コミュニケーションのプロトコルを揃える必要性を感じ、社員全員でCoachEdを受講。キャピタリストとして、また経営者として「言語化し伝えていくことの重要性」についてお話しくださいました。

期待

●社内のチーム作りのために、自分の考えていることを綺麗に言語化したい

●全社員のコミュニケーションスキルを一定レベルまで引き上げ、プロトコルを揃えたい

効果

●自分の中にあった答えを見つけ、言語化することができた

●「聴く」技術を身につけたことで、アドバイスをしなくてもいいと思えるようになった

    コミュニケーションスキルが上がれば、生きやすくなる

    立山早

    アンリさんは、コーチングを3ヶ月間受けられたのち、自らコーチングを学んで下さいましたが、最初にコーチングを受けようと思ったきっかけを教えていただけますか?

    佐俣アンリ(以下、アンリ氏)

    ANRIは2022年に創業10周年を迎え、自分が目指す方向を改めて考えたり、社員を理解することを意識しなきゃいけない時期がきたんだなと思ったのが、まずきっかけでした。

    3年程前から、ベンチャーキャピタリスト以外の役割のメンバーも増え、社内でチーム作りを意識するようになりました。「自分たちは何を目指しているのか・どこに向かいたいのか」についてしっかりチームに共有したいというニーズも生まれて、そのニーズを満たすためには、まずは僕自身が、自分の考えていることを綺麗に言語化しないといけないなと思い、コーチングを受けてみることにしました。

    また、起業家の壁打ち相手になるために、コーチングという体系化されたテクニックがいいらしいぞ、という話をいろいろな場所で耳にしていて、どんなものか、まずは自分が受けてみようと思ったのもあります。

    佐俣アンリ氏 | with CoachEd
    立山

    なるほど。実際に受けてみていかがでしたか?

    佐俣氏

    いい意味で裏切られましたね。元々コーチングって、コンサルティングに近いものかと思っていたんですよ。なので、「あなたの考えてることって、こういうことですよね」とズバッと指摘して貰えるのかと思っていたんです。でも実際は違って、自分の中にある答えが、自分の言葉によってどんどんクリアに言語化されていくんですよね。

    言語化してチームに伝えていく中で、「僕らは、こっちに向かいたいんだよね」という方向性を、ビジョンとしてちゃんと伝えていくことの重要性を改めて感じましたし、自分の思考を整理する手段としてコーチングは有効だなと感じました。

    立山

    なるほど。ちなみにアンリさんは、コーチングを受ける前は、どのような方法で自分の思考を整理・言語化されていたんですか?

    佐俣氏

    実は、8割型は奥さんと話すことで整理されていたんですよね。大体1日2時間ぐらい話す中で、「今こういうことを考えているんだよね」と話していると、だんだん思考が整理されていくんですよ。今考えるとコーチングみたいな時間になっていたのかも知れませんね。

    あとは、1人で悶々と自問自答しながら内省することもありますね。

    佐俣アンリ氏 | with CoachEd
    立山

    ちなみに、1人で自問自答している時・言わばセルフコーチングをしている時と、第三者にコーチングをしてもらう時では、どんな違いがあると思いますか?

    佐俣氏

    僕の場合、自問自答の「問」が凄く厳しくなる癖があるんですよ。自分に対してガン詰めしちゃうんですよね。そういう方向性の問いに偏りやすい。でも第三者にコーチングをしてもらう時は、ゴールに向かって聴き続けることと、様々な観点から引き出すことを徹底していただけるので、自分の思考の癖に偏ることなく、答えを出せるという良さがありますね。でもCoachEdでコーチングを学んだことで、セルフコーチングの精度・自問の精度も上がったのではないかと感じます。

    立山

    なるほど。ではそのコーチングを学んだ体験について伺っていきたいと思いますが、アンリさんが社員全員でCoachEdを受講しようと意思決定された背景には何がありましたか?

    佐俣氏

    一言で言えば、コミュニケーションのプロトコルを合わせたかったんですよね。社内コミュニケーションと、起業家とのコミュニケーションで、全員が同じ感覚を持っていてほしいと思っていました。

    でも、CoachEdの受講って、評価指標やミッションと関係ないので、「本当に全員受ける必要があるのか」という反応もありました。忙しい中で3ヶ月間、毎週80分間の時間を確保しろって言われても、おいおいって思いますよね(笑)。

    佐俣アンリ氏 | with CoachEd
    立山

    そうですよね、すごい意思決定ですよね。そうした声があった中でも、全員で受講すると決めた背景には、どんな願いがあったのでしょうか?

    佐俣氏

    みんな自分の言葉を自分で言えるようになった方がいいし、相手の言葉を聴けるようになった方がいいと思っていました。

    うちのメンバーはみんな性格がいいんですけど、性格がいい人がコミュニケーションがうまいわけではありません。性格や人柄とコミュニケーションは別軸なんですよね。加えて、コミュニケーションスキルって、みんなバラバラなんですよ。だからこそ、コミュニケーションのスキルを全員一定レベルまで引き上げたかった。その方が生きやすくなるから。

    立山

    なるほど。そのように思うようになった背景には、何かきっかけがあったのでしょうか?

    佐俣氏

    僕は社員とのコミュニケーションが怖いんです。これまでベンチャーキャピタリストの仕事しかしたことがなくて、それ以外の仕事をしている人のモチベーションが何なのか全くわからないんです。わからないから、怖くて。けっこう苦労していました。

    実際、ベンチャーキャピタリスト以外の社員との1on1では、自分ばかりが喋ってしまって、僕のリサイタルが始まっちゃう。典型的な駄目な経営者のパターンですよね。

    コーチングを通して、「自分がやったことのない仕事が想像できないから、社員とのコミュニケーションが苦手なんだ」と言語化できただけでも前進だと思うし、一定、楽になったという実感があります。前は「社員とのコミュニケーションが怖い」なんて言えなかったですしね。

    それに、「聴く」スキルを知ったことで、以前よりは社員とのコミュニケーションも上達したと思うんですよ。

    キャピタリストが答えを出さないコミュニケーション

    立山

    なるほど。期待や不安が合った中でCoachEdを3ヶ月受講されてみて、総じていかがでしたか?

    佐俣氏

    疲れた!(笑)。時間のコミットも必要で、宿題も毎週あるし。学びは本当に大きかったけれど、大変でしたね!(笑)でもやって本当に良かったです。

    佐俣アンリ氏 | with CoachEd

    僕にとっての一番の学びは、「答えは自分の中にあって、それを自分の言葉にできた瞬間に、本当の意味で腑に落ちる」ということでした。僕の中でコーチングは、その腑に落ちるところを助けてあげるというか、そこにたどり着くまでの対話という旅を一緒にしていく行為だなと思っています。

    「自分はこういうことを大事に思っているんだ」と気づくことが、こんなにも気持ちがいいものなんだと知ることができて、すごく良かったです。

    そして、自分の中にある答えを言語化する経験を通して、組織の人数が増えていく時こそ、会社の方向性を言葉にして伝えることが大事だなと改めて思いました。

    立山

    なるほど。起業家とのコミュニケーションの中で、コーチングのスキルが活かせたエピソードはありますか?

    佐俣氏

    起業家から相談を受けると、「君の話を聞いたところ、ここに課題がある!だからこうした方がいい!」となりがちで、大喜利みたいな感じがしていたんです。

    だけど、「聴く」に徹していたら、相手は話ながら自分で整えていくし、「僕はこうしたいんだ!」と自分で答えを見つけていく。相手の課題に対して、僕が答えを出さなくていいというのは、偉大な気付きでした。

    アドバイスしなくていいんだと思うようになって、相手が話して満足したら、もうそれでOK。最近は、起業家がやりたいことを言葉にしていくお手伝いをしている感覚で、ミーティングをしています。

    立山

    なるほど。アンリさんご自身が腑に落ちる体験をされたように、起業家のやりたいことの言語化をサポートできれば、そのミーティングは成功しているということなんですね。

    佐俣氏

    そうですね。僕は、ベンチャーキャピタリストは起業家のメンタルとかフィジカルのバイオリズムにだけ寄り添ってればいいと思っているので、事業もプロダクトも、本当に興味がないんですよ。細かい事業の内容や進捗を相談されても、僕は役に立たないんです。

    佐俣アンリ氏 | with CoachEd

    事業のことは起業家がなんとかする。だから、僕は昔から、起業家がどういう精神状態でいるか、楽しそうにしているか、辛くはなさそうかということだけを見ています。だからどんな会社でも投資できる。それは、今後も変わらないと思います。

    起業家のメンタルやフィジカルな部分にズカズカ入っていくには体力を使うので、そこに踏み込まないキャピタリストも多い。ですが、心が辛くなったり、頑張りようがなくなった状態の方が、はるかに重大な問題だからこそ、僕たちが必要だと思っています。

    ANRIのキャピタリストは、起業家にとって、事業の相談相手だけでなく、気持ち・マインドの相談相手にもなれることを目指しています。だからこそ、それを受け止めるための聴く力を全員持つことに意味があると感じるし、「ANRI=人間的な信頼関係が強みになっているファンド」を本気で目指していきたいんですよね。

    起業家は太陽、投資家は月

    立山

    そうなんですね。ANRIの他のキャピタリストのみなさんも、同じような考え方で起業家とコミュニケーションをとっていらっしゃるんですか?

    佐俣氏

    そうですね、チーム全体で共有しています。そして、「起業家は太陽で、投資家は月だ」というのが、僕たちが大事にしているフィロソフィーです。

    佐俣アンリ氏 | with CoachEd

    現在、230社以上の投資先があって、起業家が人生をかけたプロダクト作りや研究をしています。230人が人生を懸けて全力疾走している全ての領域において、最先端の情報をリアルでキャッチアップし続けるなんて、普通に考えて無理じゃないですか。

    もちろんついていこうという努力は一定していますが、事業のことをあれこれ言うよりも、その人が何に情熱を感じているのか、現時点も情熱を感じられているかを見極める方が大事で。それがわかっていればいいんじゃないかなって、思っているふしはあるので、僕は、起業家が「飽きてきたな」ってことだけはすぐに気づくんです。

    立山

    なるほど。月として起業家に寄り添う中で、特に意識しているコミュニケーションやあり方というのはどういうものなのでしょうか?

    佐俣氏

    誰が主役かを錯覚させないことだと思います。社内では「自分が輝いていると思うなよ」という話をよくします。

    やる気があるキャピタリストほど、現場のオペレーションや、TODOリストの洗い出しまで介入してしまいやすい。箸の上げ下げにまで文句をつけるようなコミュニケーションを始めてしまうと、上司と部下っぽくなってしまうので、そうはならないようにしたいなと思っています。

    僕がこの思想にたどり着いたのは、ベンチャーキャピタルは、会社の走りだしの一番初めの部分しか立ち会えなくて、絶対いなくなる。だからこそ、会社の初めの倫理感を醸成することを一緒にしっかりしたいと考えているからです。

    立山

    なるほど。主役はあくまで起業家であるということを、起業家自身にも自覚してもらうために、気をつけているコミュニケーションはありますか?

    佐俣氏

    「何がしたい?」「何がハッピーなんだっけ?」ってよく聴いていますね。事業がうまくいっていない時にこそ「本当にこの会社を続けたい?」と問います。

    僕たちはファンドで契約もあるけれど、そうした関係を脇に置いて、「あなたの人生だから、最後は自分で決めて」って話をしています。

    情熱を持ち続けるために、言語化していく

    立山

    コーチングを学んだ3ヶ月間の中で、一番の成果はなんだと思われますか?

    佐俣氏

    これから先も、何十年と会社をやっていくのであれば、自分たちが向かっていく方向を、都度再定義し直した方がいいということに納得できたのが、一番大きい成果でした。

    僕には、”ファンドマネージャーとしての自分”、”会社経営をしている自分”、”個人としての自分”という3つの顔があります。それぞれとても近いのだけど、やっていること、やりたいことが微妙に違うとも思っていた。加えて、とても潔癖なので、「個人として自分がやりたいことは、全部個人でやる」と徹底していて、それぞれの自分を綺麗に線引きをしていました。

    佐俣アンリ氏 | with CoachEd

    僕にとって一番重要なことは、ファンドマネジャーとしての自分が、情熱を持って働き続けることです。そのためにも、それぞれの自分がやりたいことを見直して統合した方が、僕は情熱を持ち続けられるんじゃないかと思いました。

    なのでまず、それぞれの自分がやりたいことを綺麗に言語化していきました。すると、相反しているように見えていたことも、実は同じようなことをやりたいと思っていたことがわかりました。それなら、3つのやりたいことを綺麗に統合して、それを内包した会社に作り直した方がいい。会社が目指す方向を再定義した方が、おそらく全員をハッピーにできるというところまで、言語化することができました。

    立山

    3つの顔が統合されて、より豊かになっていくアンリさんがイメージできますね。ではアンリさんらしくCoachEdを一言で表すとしたら、どのようなサービスでしょうか。

    佐俣氏

    コミュニケーションのキャッチボールのやり方を、自分に合わせてトレーニングをしてくれる伴走者ですね。

    立山

    ありがとうございます。最後に、CoachEdでの学びや気づきを、これからどのように組織で活かしていきたいと思いますか?

    佐俣氏

    コーチングって、ミキサーみたいなものだなと思っていて。ミキサーって、買って使い方を覚えて、生活に馴染むまで、けっこう時間がかかりますよね。洗うのが面倒になって、途中で使うのを止めてしまうこともあるけど、生活のルーティンに組み込まれてしまえば、いろいろな場で使えて、便利になるはずです。

    ミキサーを使うのが当たり前になった人が、ミキサーを使っていない人と出会って「ミキサーがなくてどうやって生活しているの?」と聞いてしまうくらいになるまでは、頑張らないといけないですけどね。

    僕はまだ、買って使い方を覚えたばかりのフェーズですね。生活に馴染んで、当たり前に使っているフェーズに到達するまでは、意識して使っていきたいと思います。

    立山

    私もその状態になっていくことをサポートしていきたいと思います。アンリさん、本日はありがとうございました!

    佐俣アンリ氏 | with CoachEd

    右:ANRI株式会社 代表パートナー 佐俣 アンリ様
    左:株式会社コーチェットCCO 立山早

インタビュイー 佐俣アンリ

慶應義塾大学卒業後、East Venturesを経て2012年にベンチャーキャピタルANRIを設立。シードステージに特化し、インターネット及びディープテック領域へ230社以上に投資実行。5つのフラッグシップファンドと脱炭素に特化したANRI GREENファンドを立ち上げ、累計約630億円を運用中。主な投資支援先はLayerX、NOT A HOTEL、STORES、Mirrativ、Rentio、ARCH。

[文]栗原京子

[撮影]大倉 英揮

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