1on1を実施する際など、リーダーにはティーチングとコーチングのスキルを求められることがあります。どちらも目的に応じて使い分けることで効果的なコミュニケーションができますので、使い分け、やり方を理解していきましょう。ティーチングとコーチングの違いとは?用語の意味を解説ティーチングとはティーチング(Teaching)は、具体的なアドバイスや答えを指示・助言するスキルです。経験豊富な人が、相手に対して、自分の持っている知識・技術・ノウハウなどを、具体的なアドバイスや答えと共に指示・助言する技術のことを指します。教師が話し、生徒が聞くという伝統的な教育方法がこれにあたります。コーチングとは一方、コーチング(Coaching)は、相手の能力や可能性を引き出すことを目的とした対話型のコミュニケシーションのことを言います。コーチは知識・技術・ノウハウなどの答えを伝えるのではなく、問いかけることを通して相手自身に気づきを促し、自己解決能力を高めるように導きます。相手の主体性を最大限に活かすのがコーチングの特徴です。▼もっと詳しく知りたい方はこちら【資料】「技術的問題」と「適応課題」を解決するティーチングのコツ をダウンロード【ウェビナーアーカイブ動画】リーダー必須の「ティーチングスキル」とは? を視聴する【ウェビナーアーカイブ動画】なぜ今、リーダーがコーチングを学ぶのか? メンバーの成長を促し自律したチームを作る方法とは を視聴するティーチングとコーチングに似た用語カウンセリングカウンセリングとは、クライアントの心理的な問題や悩みを専門家が共感的に聞き、適切なアドバイスを行うことです。主にメンタルヘルスの側面から、クライアントを支援することが目的です。メンタリングメンタリングとは、経験豊富な者人が若手や後輩をサポートし、スキルの向上や個人的成長を促すためのアドバイスや指導を行うことです。ロールモデルとなる存在から助言を受けながら、キャリア形成を図ることができます。トレーニングトレーニングとは、特定の知識やスキルを身につけさせるための実践的な訓練をすることです。ティーチングにより基礎知識や概念の理解を深め、トレーニングを通してその知識を実践的なスキルとして身につけることができます。エンパワーメントエンパワーメントとは、個人や組織が自身の能力や資源を認識し、自らの意思で意思決定を行い、問題解決や目標達成に向けて積極的に行動できるようにする関わりをすることです。自己決定権を持たせ、主体性を尊重するコーチングの考え方に通じる面があります。コンサルティングコンサルティングとは、専門的な知識やスキルを用いて、クライアントが直面している経営問題や課題を分析し、解決策を提案することです。コンサルタントはクライアントの状況を深く理解し、そのニーズに合わせた具体的な戦略や解決策を提示します。ティーチングとコーチングの使い分けティーチングとコーチングは、それぞれの目的に応じて使い分けることが大切です。ティーチングの目的ティーチングの目的は、相手に指示に沿って業務を遂行してもらうこと、適切な業務の進め方や型を身につけてもらうことです。知識や経験が不足している人や、自分で業務を遂行した経験が少ない人など、新入社員や新人管理職の方に活用する機会が多いです。コーチングの目的コーチングの目的は、相手が持っている能力や可能性を最大限引き出すことです。自ら業務の進め方を考え、遂行する自律性を身につけてもらうことを目的に活用します。自分で答えを出す知識や経験が一定以上ある人が対象となるため、中堅社員やリーダー、専門職(エンジニアなど)などに対して活用する機会が多いです。ティーチングとコーチング、それぞれの目的を理解した上で、実際は相手の仕事への意欲や能力レベルに応じて使い分けるようにしましょう。知識や経験が不足している人にはティーチングを採用することで、適切な知識や業務の進め方を身につけてもらうことができます。知識や経験が一定以上あり自分で答えを出すことができる人にはコーチングを採用することで、相手が持っている能力や可能性を引き出すことができます。 ティーチングコーチング目的・指示に沿って業務を遂行してもらうこと・適切な業務の進め方、型を身につけてもらうこと・相手が持っている能力や可能性を最大限引き出す・自ら業務の進め方を考え、遂行する自律性を身につけさせること対象者・知識、経験が不足している人・自分で業務を遂行した経験が少ない人・自分で答えを出す知識、経験が一定ある人・裁量のある仕事をしている人対象者の例・新入社員、若手社員、新人管理職・中堅社員、次期リーダー、リーダー上司・部下の関係性・指導する人→される人への一方通行のやり取り・指導する人⇄される人、双方向のやり取り上司側に求められる力や姿勢・手順を言語化、明確化する力・相手に分かりやすく伝える姿勢・質問力、傾聴力・相手を理解し、可能性を信じる姿勢活用シーン・相手が知らない知識やスキル、やり方を教える・指導内容に明確な答えがある・内発的動機や主体性を高める・気づきや学びを与える、価値観や視野を広げるティーチングとコーチングを使うメリット・デメリットここまでで、ティーチングとコーチングの意味と目的をお伝えしました。では次に、ティーチングとコーチングを使うメリット・デメリットを見ていきましょう。ティーチングを使うメリット部下の目標達成の支援や、技術的&精神的成長の支援ができる部下の自己効力感の向上や動機付けの強化ができる育て合いの機会が生まれる(リーダーも教えることを通して学ぶ)部下との関係性の向上(ティーチングを効果的に行うためには、相手への観察・承認・理解などが求められるため)ティーチングを使うデメリット一方向の知識伝達になりがち受講者の主体性が損なわれる可能性があるティーチングする側の能力が上限になるコーチングを使うメリット相手の主体性や自走力が高まる長期的な視点で能力開発ができる個別の課題に合わせた最適なアプローチが可能コーチングを使うデメリット時間がかかるコーチングスキルに左右される受け手の積極性がなければ効果が出ない▼もっと詳しく知りたい方はこちら【資料】「技術的問題」と「適応課題」を解決するティーチングのコツ をダウンロード【ウェビナーアーカイブ動画】リーダー必須の「ティーチングスキル」とは? を視聴する【ウェビナーアーカイブ動画】なぜ今、リーダーがコーチングを学ぶのか? メンバーの成長を促し自律したチームを作る方法とは を視聴するティーチングのやり方・効果を高めるコツティーチングを阻害するバイアスを認識するティーチングをする際に、生まれやすいバイアスにはいくつか種類があります。「こんなにシンプルに説明しているのに、どうして分からないんだろう」「この人は優秀だから、すぐわかってくれるだろう」「最近の新人は受け身だな。ティーチング中もやっぱり受け身だ」など、ティーチングする側の思い込みによってティーチングの内容が左右されることがあります。これらは無意識に行われることが多いため、ティーチングをする人は自分がどんなバイアスを持ちやすいかを認識することが求められます。自分の知識や方法を唯一絶対としない自分が上手くいった方法を教えようとしても、その方法がティーチングする相手にとっても効果的だとは限りません。他の人が同じ結果や成果を得るためには、自分とは異なるアプローチが必要かもしれないということを受け入れる柔軟性を持ちましょう。ティーチングで解決するのは技術的問題か、適応課題かを把握するティーチングを行う上で、解決すべき課題は技術的問題か適応課題かによって必要なアプローチが異なります。技術的問題はティーチングで解決しやすい一方、適応課題に関してはコーチングのスキルまで必要とすることが多いです。解決すべき課題性質を見極め、適切なアプローチを選択しましょう。技術的問題既存の方法で解決できる問題であり、方法や知識のインプットがされれば状況が変わり解決できるもの。特定の方法を取れば解決することが明確な問題を指します。そのため、解決の難易度は比較的低いことが特徴です。例)クライアントへの営業活動において話し慣れていないプロダクトについて説明する必要があったが知識・準備不足だった。解決策は、プロダクトに対する知識のインプットと、説明がスムーズにできるような事前準備を重ねること適応課題自分自身のものの見方や、周囲との関係性が変わらないと解決できない問題であり、過去の成功方程式では解決できないもの。課題には当事者の価値観や自己認識、外部環境などが相互に作用して起きている可能性が高く、解決の難易度が高めになることが特徴です。例)締め切りをいつも守れないという問題を抱えるメンバー。守れている人のノウハウ(スケジュール管理の仕方、優先順位のつけかた)などを共有するだけでは問題は解決せず、繰り返されるだけ▼もっと詳しく知りたい方はこちら【資料】「技術的問題」と「適応課題」を解決するティーチングのコツ をダウンロード【ウェビナーアーカイブ動画】リーダー必須の「ティーチングスキル」とは? を視聴する【ウェビナーアーカイブ動画】なぜ今、リーダーがコーチングを学ぶのか? メンバーの成長を促し自律したチームを作る方法とは を視聴するコーチングのやり方・効果を高めるコツコーチングする側のマインドセットを持つ本音で語れる安心感を生み出し、相手の自発的行動を促すために相手との良い関係性(ラポール)を築くことが必要です。下記のようなマインドセットを持つことが求められます。相手の最大の支援者でいる相手の可能性を信じるバイアスを持たずに受け止める観察・傾聴・承認・質問のスキルを身につけるコーチングでは、非言語も含めて相手の状態を捉える「観察」、相手の話を受容する「傾聴」、相手の考えを尊重する「承認」、そして気づきを促す「質問」のスキルが不可欠です。これらのスキルを通して相手の能力、潜在力、モチベーションアイディア、自発性、行動を引き出し目標達成をサポートすることができます。コーチングのプロセスを理解する相手の真の課題や可能性を引き出すための、効果的な7つの「コーチングプロセス」と言われるものがあります。コーチングに慣れないうちは、プロセスに則って対話していくことも有効でしょう。▼もっと詳しく知りたい方はこちら【資料】「技術的問題」と「適応課題」を解決するティーチングのコツ をダウンロード【ウェビナーアーカイブ動画】リーダー必須の「ティーチングスキル」とは? を視聴する【ウェビナーアーカイブ動画】なぜ今、リーダーがコーチングを学ぶのか? メンバーの成長を促し自律したチームを作る方法とは を視聴するティーチングとコーチングのスキルを身につけるにはティーチングとコーチングの基本的なスキルは、記事や本などを通して知ることができます。知ったものを「わかる」状態から「できる」状態にしていくためには、実践、振り返り、自己認識を繰り返す経験学習が必要です。そのためには下記のようなアプローチが有効でしょう。「わかる」だけでは、決して実用的なスキルとして活用することはできません。研修で実践練習を行うOJTを通して実務で実践を重ね、ノウハウを蓄積する第三者にフィードバックをしてもらうことで自己認識を高め、経験学習を回すまとめティーチングとコーチングは人材育成の現場で重要な役割を果たすスキルであるとお伝えしました。ティーチングは知識伝達、コーチングは能力開発に適しており、目的に応じて使い分ける必要があります。両者を上手く組み合わせながら、従業員一人ひとりの成長を最大化することが組織の活性化につながります。リーダーには高いティーチングおよびコーチングスキルが求められることが多いので、ぜひ習得して効果的に活用してくださいね。▼もっと詳しく知りたい方はこちら【資料】「技術的問題」と「適応課題」を解決するティーチングのコツ をダウンロード【ウェビナーアーカイブ動画】リーダー必須の「ティーチングスキル」とは? 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