みなさんは普段フィードバックを行いますか?フィードバックと聞くと、「ミスや改善点を指摘すること」というイメージを持つかもしれません。実際のところフィードバックとは、具体的に何をどのように行うことなのでしょうか? もしあなたがフィードバックするときに、「この伝え方で良いのだろうか?」と疑問に感じることがあるなら、そもそもフィードバックとは何のために行うのか?を理解することから始めましょう。この記事では、ビジネスにおけるフィードバックの意味、目的、効果、種類と、フィードバックを効果的に行うためのポイントをわかりやすくお伝えします。フィードバックを行うことで、自分自身や組織の成長につなげていきましょう。フィードバックとは?ビジネスにおける意味フィードバックとは、英語で「反応」や「返答」という意味を持ちます。ビジネスにおいては、フィードバックとは*「基準値」と「現状」のギャップに関する*情報を伝えることです。ネガティブなギャップを埋めるため、あるいはポジティブなギャップをさらに伸ばすために使用します。そのため、フィードバックは強みや弱みに着目し、改善点や成長課題を明らかにするための重要な手段といえます。フィードバックは上司や同僚、部下、クライアントに伝えたり、受け取ったりすることが多いですが、自分で自分の行動や成果の「基準値」と「現状」のギャップをメタ認知的に判断するセルフフィードバックという方法もあります。セルフフィードバックには自己認識や自己効力感を高める効果があります。フィードバックを行う目的フィードバックを行う目的は、大きく分けると以下の3つになります。うまくいっていることをさらに伸ばすためポジティブなフィードバックは強みにフォーカスして、それを続ける・またはさらに発揮することをリクエストすることで、現状よりもさらにパフォーマンスを高めることが目的です。うまくいっていないことを今後減らしていくためネガティブなフィードバックは足りていないところにフォーカスし、行動改善や弱みの克服をリクエストすることで、基準値とのギャップを埋めることが目的です。未来に向けて、うまくいっていないことを減らしていくことにつながります。思い込みが助長することを防ぐためフィードバックは客観的な視点から基準値に対してどのようなギャップが発生しているか?を伝えることで、「この仕事は現状維持すればよい」という思い込みを正す機会を与えます。望ましい成果が得られない状態や近視眼的な状態を改善する目的があります。▼「フィードバック」についてさらに詳しくチームの成果を最大化するフィードバックスキルとは?をダウンロードフィードバックで得られる効果・機会フィードバックを行うことで、以下のような効果や機会が得られます。個人に対して自分の強みや弱み、改善点や成長課題を知ることができる自分の自己認識や自己効力感を高めることができる自分の業務の成果や品質を向上させることができる組織に対してメンバーが成長することで、プロダクトやサービスの価値を高めることに繋がるメンバーの目標達成を支援し、チーム全体の目標達成に繋がるポジティブなフィードバックをもらうことで、期待されていることを実感しパフォーマンスが上がるフィードバックの種類と方法フィードバックには、大きく分けて以下の2種類があります。ポジティブフィードバックポジティブフィードバックとは行動や成果を承認し、さらに行動の継続や強みの発揮をリクエストすることで、モチベーションやエンゲージメントを高めます。ポジティブフィードバックを行う際のポイントは下記の通りです。具体的に良かった行動や成果を承認するポジティブフィードバックを行う際には、具体的にどの部分が良かったのかを伝えましょう。望ましい行動や成果を具体的に承認することで、相手の生産性向上に対する意欲が高まります。良かった行動の背景にある相手の強みを伝える良かった行動を生み出せた背景には、その行動を生み出した相手の強みや特性が活かされていることが多いです。相手が持つ資質に対してフィードバックを行うことは、良かった行動の再現性を高めることに繋がります。相手の強みが生かされそうな機会を伝える相手の強みを他にも活かせそうなシーンがあれば、合わせて伝えることで、相手は強みを発揮して望ましい効果や成果をうむことに繋げることができます。ネガティブフィードバックネガティブフィードバックとは、行動や成果の足りないところを伝えて行動改善や弱みの克服をリクエストすることで、成長を促進し行動や成果を基準値に近づける効果があります。ネガティブフィードバックを行う際のポイントは下記の通りです。フィードバックする相手を信じるマインドセットを持つネガティブフィードバックの目的はダメ出しをすることではなく、事業や相手の成長を信じて行うものです。ネガティブフィードバックを行うときは、相手を信じるマインドセットを持ち、相手信頼関係を気づくことを意識した上で行いましょう。具体的な指摘と改善策を提供するネガティブフィードバックを行う際には、望ましい基準値とのギャップを具体的に伝え、合わせて改善策も提案しましょう。相手が具体的な改善方法を理解できるように配慮することが大切です。フィードバックされた相手の考えを聴くフィードバックは一方的に伝えて終わらせてはいけません。フィードバックを行った後、相手はそれをどう捉えたか、認識が相違している点はないかを必ず確認しましょう。▼「フィードバック」についてさらに詳しくチームの成果を最大化するフィードバックスキルとは?をダウンロードフィードバックを行うことは、組織やチーム、部下の成長にとって非常に有益ですが、同時に難しいことでもあります。フィードバックを効果的に行うために、以下のようなポイントに気をつけて実施してみてください。より効果的なフィードバックを行うために多くの方がフィードバックについてのやり方や伝え方を気にされますが、実はそれ以前にフィードバックに影響を与える要因を理解することが大切です。フィードバックのやり方や伝え方も要因の一つですが、他にも多くの要因があります。フィードバックに影響を与える要因を理解する適切なフィードバックをするためには、効果的な方法やポイントを理解するだけでなく、フィードバックに影響を与える要因を理解しましょう。以下のようなことがフィードバックに影響を与える要因となります。フィードバックする側の価値観・動機づけ例えば、フィードバックする側が周囲と良好な関係を築き他者から嫌われたくない動機づけが強い場合は、周囲へのネガティブフィードバックや厳しいフィードバックを控えるという影響が出ることがあります。フィードバックする側のセルフマネジメント能力(感情コントロールなど)セルフマネジメント能力が低い状態だと、自分に対する肯定的な感情を高めるためにフィードバックを利用してしまうことがあります。フィードバックする側の自己認識や行動フィードバックを受ける側から自分自身はどう見えているのか?という外的自己認識が足りないと自分自身の行動や相手の状況を見て効果的なフィードバックを行うことが難しくなります。状況や外部環境例えば、事業がうまくいっていて状況や外部環境が良い時にはフィードバックが少なく、状況や外部環境が悪くなるとパフォーマンスに対するフィードバックが多くなる、などがあります。フィードバックを受ける側の価値観・動機づけ例えば、フィードバックを受ける側の自己肯定感が低い場合、伝え方を工夫してもフィードバックされた内容を実行に移すまでに時間がかかるかもしれません。フィードバックを受ける側の行動フィードバックを受ける側の行動は、フィードバックする側の反応に影響を与えます。フィードバックを受け取り、その後どのような態度や行動を示すかによって、例えばフィードバックする側の今後のフィードバックの伝え方や工夫に影響するでしょう。フィードバックには様々な要因が影響を与えており、かつ状況や相手によっても効果は異なります。特にフィードバックする側の価値観や動機、セルフマネジメント能力や行動が関わるため、自分をよく理解することが大切です。一度うまくいった、いかなかったなどで一喜一憂するのではなく、継続的に状況や影響を与えている要因をメタ認知しながら、練習を続けていくことが重要です。また、相手にとって心理的安全性の高い場で、自らのフィードバックに対して第三者からフィードバックをもらうことも有効でしょう。▼「フィードバック」についてさらに詳しくチームの成果を最大化するフィードバックスキルとは?をダウンロード自らが率先して他者にフィードバックをもらう相手にフィードバックを受け入れてもらうためには、自らが率先して他者にフィードバックをしてもらい、受け入れていく姿勢を見せることも大切です。特にリーダー・マネージャーはフィードバックを行う機会が多くなりますが、一般的には役職が上がっていくほど自己認識がズレていくことが知られています。先述の通り、フィードバックに影響を与える要因として、フィードバックする側の価値観・動機やセルフマネジメント能力が挙げられますので、自己認識がズレてしまったら当然フィードバックにも影響してしまいます。他者からフィードバックをもらうためには、まず心理的安全性の高い関係を築き、何を言っても大丈夫と思ってもらえるようにしましょう。また、フィードバックが欲しい背景を丁寧に伝え、フィードバックを受け取った後にはそのフィードバックを踏まえ、何をするつもりなのかを伝えるコミュニケーションをとると良いでしょう。まとめこの記事では、ビジネスにおけるフィードバックの意味や目的、効果、種類、ポイントなどを解説しました。フィードバックとは「基準値」と「現状」のギャップに関する情報であり、ネガティブなギャップを埋めるため、またはポジティブなギャップをさらに伸ばすために使用されるものです。フィードバックを効果的に活用することは、個人が自律的に動けるようになることを支援し、チームの成果最大化に繋がります。相手とチームの成長のためにも、ぜひ効果的に活用してみてくださいね。また、CoachEdでは、フィードバックをできるようになりたい方に向けて、マンツーマンまたはチームでのコーチング型トレーニングプログラムをご提供しています。フィードバックに関して学ぶとともに、ご自身の状況を取り扱いながらフィードバックを効果的に実施できるよう実践トレーニングを行なっていきます。少しでも興味を持った方は資料をご覧ください。