権限委譲とは権限委譲とは、業務上の目標を達成するために、上司が権限の一部を部下に委ねつつ、部下が自律的に行動できるような環境作りやサポートも同時に行うことです。ただ単に業務を「任せる(放任する)」のではなく、自律的な行動を促す環境づくりや、サポートもセットで行うことが重要です。権限委譲は、上司から部下に対して行われる権限の委譲のことを指します。上司が部下に対し、一定の権限を与え、部下が自律的に行動できるような環境を整えることで、上司自身がより重要な業務に集中したり、部下の育成や組織全体の生産性向上につなげることができるのが特徴です。権限移譲との違い権限移譲は、対等な立場の同僚などに自らの権限を譲ることです。権限委譲とは権限を譲る対象が異なります。権限委譲で最終的な責任を負うのは「部下に権限の一部を委ねた上司」ですが、権限移譲では「権限を譲り受けた同僚」などが責任を負います。つまり、権限委譲は上司から部下への権限の委譲であり、権限移譲は同僚間での権限の譲渡です。責任の所在が異なるのが大きな違いといえます。▼もっと詳しく知りたい方はこちら・権限委譲のプロセスを進める実践シート をダウンロード・多くのリーダーが知らない「効果的な権限委譲の方法」とは? ウェビナーアーカイブ動画を視聴する権限委譲を行うメリット自分自身が、より重要性・創造性の高い業務に集中できる権限委譲によって、上司自身がより重要性・創造性の高い業務に時間を使うことができるようになります。緊急度は低いが重要度が高い業務などに注力できるようになります。部下のモチベーション向上や成長機会につながる部下に権限を委譲することで、部下のモチベーションや自尊心の向上、スキルやマインドセットの成長につながります。部下に仕事を任せ、部下が自律的に行動できる環境を整えることで、部下の成長を後押しできるのです。組織の意思決定が迅速化され、生産性が高まる権限委譲によって、チーム全体での意思決定が迅速化されます。組織全体の業務効率が向上するのが大きなメリットといえます。権限委譲を行うデメリット権限委譲をすると、メリットでお伝えしたような良いことが起きる前に高い確率で悪いことが起きる可能性があることを十分に理解しましょう。 部下に権限を委譲した直後は、委譲前のアウトプットに比べ質が下がることがあります。 上司は、このようなデメリットを理解した上で、権限委譲のプロセスを進める必要があります。▼もっと詳しく知りたい方はこちら・権限委譲のプロセスを進める実践シート をダウンロード・多くのリーダーが知らない「効果的な権限委譲の方法」とは? ウェビナーアーカイブ動画を視聴する権限委譲のNG例ここまでで権限委譲を行うメリット・デメリットがわかりました。では次に、権限委譲のNG例をご説明します。権限委譲しない方が良い仕事を委譲する自分自身があまり理解できていない仕事自分のチームのビジョンや方向性をつくる仕事自分のチームにおける変化をリードする仕事これらの仕事は、上司自身の理解や見識、リーダーシップが不可欠であり、部下に委譲するのは適切ではありません。 上司自らが責任を持って取り組むべき業務といえるでしょう。権限委譲を誤った方法で行う相手の能力や強み・弱みを把握していない明瞭な指示をしない仕事を任せた後にマイクロマネジメントする仕事を任せた後に放置・放任するこれらの方法は、適切な権限委譲とは言えません。部下の自律性を阻害し、かえって組織の生産性を下げてしまう可能性があります。▼もっと詳しく知りたい方はこちら・権限委譲のプロセスを進める実践シート をダウンロード・多くのリーダーが知らない「効果的な権限委譲の方法」とは? ウェビナーアーカイブ動画を視聴する権限委譲を行う際のポイントは「権限委譲のサイクルを作る」権限委譲は、以下の4つのプロセスを繰り返し回しながら取り組むことが重要です。権限委譲に関する自分の理解を深める権限委譲をする相手の理解を深める権限委譲をするタスクの理解を深める権限委譲を行いながら伴走・評価・承認する①権限委譲に関する自分の理解を深める権限委譲に関する自分自身の特性、傾向、恐れなどへの理解を深めることで、権限委譲で起きがちな課題を把握する事ができます。 上司自身がこうした自己理解を深めていないと、適切な権限委譲ができない可能性が高まります。②権限委譲をする相手の理解を深める権限委譲しようとしている相手(部下)の能力や強み、弱み、興味、関心などへの理解を深める事で、権限委譲する際の必要な指示や伴走を工夫しやすくなります。③権限委譲をするタスクの理解を深める権限委譲するタスクの責任範囲や目的、ゴールなどへの理解を深めることで、相手に明瞭な指示をすることができます。④権限委譲を行いながら伴走・評価・承認する権限委譲したら部下に業務を任せっぱなしにするのではなく、伴走・評価・承認のサポートもセットで行うことで、部下が自律的に行動できる環境を整えていきましょう。これらのプロセスを踏み、継続的に権限委譲のサイクルを回すことで、適切な権限委譲を実現できます。まとめ権限委譲は上司と部下双方にメリットがあり、チームの意思決定の迅速化や生産性向上につながります。ただし、ただ部下に業務を任せて放任するのではなく、自律的な行動を促す環境づくりや、サポートまでセットで行う必要があります。権限委譲を行う際は、上司自身の自己理解と部下の理解を深め、明瞭な指示とサポートを行いながら、権限委譲のサイクルを回していくことが重要です。 権限委譲を適切に行えば、組織全体の活性化につながる可能性があるため、ぜひ効果的に活用していきましょう。下記より権限委譲を行う際の実践シートをダウンロードいただけます。ぜひご活用ください。▼もっと詳しく知りたい方はこちら・権限委譲のプロセスを進める実践シート をダウンロード・多くのリーダーが知らない「効果的な権限委譲の方法」とは? ウェビナーアーカイブ動画を視聴する